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情報が多すぎるしんどさと生きづらさー子育てを題材にー

2017/9/1417日のブログで、「現代社会の生きづらさ」に関する記事を書きましたが、わりと読まれているようで、今回もそのカテゴリーに含まれるものを書いてみたいと思います。多くの方が言っていますが、現代はとにかく情報があふれ、それによるメリットもある一方、しんどさや生きづらさもうんでいます。

 

例を挙げればきりがないですが、今回は子育てを題材に取り上げてみたいと思います。

 

とにかく、まず驚くのが「~才までに~した方が良い・良くない」といった類の情報量の多さですね。媒体もネット・本や雑誌など様々です。ためしに、まず何冊かの子育て関連雑誌の表紙から、幾つかの文言を掲載すると‥‥。

 

・「知っていますか?超早期教育のメリット・デメリット」

・「最初が肝心!ベビーシューズの選び方」

・「親の接し方で決まる?男の子・女の子の育て方」

・「脳が育つ手づかみ食べ&歯並びにいいかみかみ食べレシピ」

・「イヤイヤ期のかかわり方で子どもの力がぐんぐん伸びる!」

 

 

表紙だけで、これだけの情報量です。特に親御さんが初めてのお子さんの場合ですと、当然ながら子育てに関する、様々な戸惑いや不安にかられますよね。そういった際、養育者の方の性質にもよりますが、生真面目な方や不安の強い方は、そういった情報を調べすぎて、凄くしんどくなったり、不安に駆られる事が多いようです。

 

当然ですよね。これだけの、「子育て」、に関する無数の情報に真面目に触れ、それを実践しようとしたら大変です。情報量の多さが、しんどさや、生きづらさをしょうじさせうるわけです。

 

さらに、事柄を難しくさせるのは、そういった子育て情報の中には、ときに、相矛盾する情報もある、というい事です。例えば、「赤ちゃんには完全に母乳を与えるべきだ」と言う意見と、「今の時代は、ミルクの方が栄養をきちんと考えて作っているから、無理に母乳にする必要など全くない」という意見があったりするわけです。

 

また、時代による違いもあり、一昔前の時代、赤ちゃんが泣いている時にすぐに抱っこをすると、「抱き癖がつく」という事で「よくない」とされていましたが、今はそんな事はないようです。つまり時代と共に、子育ての良しあしの基準が変わるものもあるわけですよね。

 

大量の情報が、ときに相矛盾していたり、時代によっても変化する。そういった情報に不用意に触れていくと、当然ながら、子育てに関する不安、しんどさ、あるいは生きづらさがしょうじてくる可能性は高まりますよね。

 

また、いわゆるママ友ができ、交流が始まると、それが支えになる場合もあるのですが、ひそかに、“自分は、あのママ友のように上手に遊べてないんじゃないか‥うまく育てられてないんじゃないか‥”といった不安が生じ始め、それをかき消すためにすぐにスマホで何かを調べ始めるわけですが、またそこで溢れる情報に触れた結果、余計に疲れてしまう、という事もあります。

 

あるいは、「言葉が~才までにでてこないと、何らかの障害の可能性がある」といった情報に触れると(こういった情報もネット空間には無数に溢れています)、“自分の子は大丈夫か‥”と不安になってきて、それをスマホで調べ始め、またドツボにはまるということも多々あります。

 

子育てのごく一部を切り取っただけでも、これだけの情報が溢れていて、つきあい方を間違えると様々なしんどさや、生きづらさを生む事がおわかりになると思います。

 

では、どうするか?子育てに関しては、一般論で言えば「絶対に~をしなければ‥」といった考え方は、子育てを大変にしてしまうように思います。

 

また、溢れる情報とどうつきあうか?これもまた一般論になりますが、自分の「性質(生真面目さの程度など)や不安の強さ」等を理解して、それを踏まえて、どうつきあうかを考えていく事が大事だと思います。不安を消そうとして(安心しようとして)、不用意に大量の情報などにさらされると、やはりしんどさや、生きづらさをしょうじさせる可能性が高まります。

 

これまで、様々なカウンセリングの現場で、多くの情報に触れた結果、それがかえって、強いしんどさや生きづらさをうんでいる方を多数みてきました。今回はその一例として、子育てをあげましたが、それは子育てが、そのあたりをもっとも顕著に生じさせるものの一つだからです。

 

当カウンセリングオフィスは、子育てに関する悩みをお持ちの方も一定数おられます。なにかあれば、「連絡・お問い合わせ」ページから、ご連絡をいただければと思います。