「あ~私はこれを話したかったんですね。。」という発見

カウンセリングをしていると、よく、クライエントさんから、「あ~私はこれを話したかったんですね。。」という言葉を聴く事があります。

 

どういう事かといいますと、クライエントさんが、今日は「A」という話題を話そうと思って、カウンセリングに来たとします。しかし、そう思ってきたのに、話が「A」ではなく「B」になる、という事が時に生じます。

 

そういった回のカウンセリング終了時に、時折クライエントさんから、「次回はやはりAを話したいですね~」と仰る事もあるのですが、不思議なことに、いつの間にか再度話題が「B」になったりします。そして、その後しばらく「B」のテーマが一段落するまで、「B」をめぐるやり取りをする事もよくあります。

 

そういったやり取りをしている時や、「B」が一段落したころに、ふと、クライエントさんが、自ら「あ~私は、これを話したかったんですね」「これを聴いてほしかったんですね」といった事を、実感と共に口にされる事があるんです。こういった時は、カウンセラーの私から見ても、「B」はその方にとって、相当重要なテーマだという感触や理解が生じています。

 

そういう時、私はたまに、「ひょっとすると、気づかなかったけれど、~さんの心が、それを話したかったのかもしれません。誰かに聴いて欲しかったのかもしれませんね。」と伝えたりします。

 

日常的な人間関係だと、一方的に自分の話をし、その話が聴かれる、という事は、あまりありませんよね。だいたいが、話の途中に「~すれば」とアドバイスが入ったり、「そういえば、私もさ~」と、いつの間にか、話し始めた人が聞き役になったりもします。

 

しかし、当オフィスのカウンセリングでは、当然専門的な訓練を積んだカウンセラーが、クライエントさんの話をじっくり丁寧に聴いていきます。そのような、日常の対人関係ではめったに生じない「聴かれ方」をされていくなかで、話をしていくと、クライエントさんも「(当初は)意識していなかった重要な話題」が、心に自然と浮かんくるんですね。

 

不思議な現象ではありますが、しばしば起きることであり、その「B」は、クライエントさんにとって重要なテーマである事が多いです。そこに、クライエントさんから自ら気づいていくわけですね。その実感が、「あ~私は、これを話したかったんですね」という言葉になるんだと思います。

 

「何かを話している中で、自分で重要なテーマに気づいていく」「あ~私は、これを誰かに聞いて欲しかったんですね」と気づいてく。カウンセリングが良い方向にすすんでいる時は、そういった事が生じてきます。

 

当カウンセリングオフィスの、カウンセリングの特徴の一つだと思います。

 

なお、本ブログの記事と、近い内容の記事として、「カウンセリンは思わぬ話もでてきます」もありますので、よろしければ、合わせてお読みください。