· 

今の自分の風向きを掴む

今回は、知っておくと心の健康に役立ちうるマメ知識をお伝えしたいと思います。それはタイトルの「今の自分の風向きを掴む」という事です。

 

風向きは大きく3種類です。

1:向かい風

2:無風

3:追い風

 

1は、「今」を含む「ここしばらく」の間に、不運・不幸な事が重なる、強いストレスがかかっている。あるいは、心身のバランスを大きく崩している‥といった状況の時です。

3は、1の反対で、自分の日常・人生が、ま~ま~いい感じですすんでいる時です。

2は、可もなく不可もなく‥でしょうか。

 

で、大切なのは、自分のその時々の自分の状況を掴む、すなわち、「どんな風が吹いているのかをみる・自覚できるようになる」という事です。自覚できるようになると、多少なりともそれに応じた行動がとれたりしうるので、自分の心身の状態を維持するのに役立ちます。

 

1~3、どの風の時にも留意点はあるのですが、今回は特に1の「向かい風」に焦点をあてます。

 

結論から書きますと、向かい風の時は、現状維持ができれば御の字、と考え、色々な事をしのぎつつ「低空飛行なりに飛べばいいか‥」という感じで日々を過ごしていくのがいいと思います。向かい風の時に、“追い風の時のようにスムーズに色々な事をやらないと‥”と考えたり、一発逆転を狙ってハイリスク・ハイリターンな行動をとる事は、お勧めできません。

 

具体的に言いますと、例えば、ご家族を亡くされる・離婚・慣れてない方が不動産を動かす・地震などの天災‥等々はものすごくエネルギーを消耗します。転職は、どういう結果になるにせよ、適応までに相当なエネルギーを使います。また、結婚・昇進など嬉しいことも、大きな環境の変化なので、ストレスになる事をおさえておく必要があります。

 

こういった時は、心身のエネルギーが強く消耗しやすい「向かい風」の時です。そういった時・年は、致し方ない事はしょうがないとして、コントロールできる範囲では、できるだけひっそりと・穏やかに過ごす、という方がいいでしょう。

 

大きなストレスには「間をあける・間があく」事が重要です。先に書いた、一発逆転を狙ってハイリスク・ハイリターンな行動をとる事を含めて、自分から大きな変化を生じさせる行動をおこしたり‥などはよした方が良いでしょう。また、今日の内容は、2017年8月1日の「重要な決断をしない方がよいとき」の記事とリンクすると思うので、よろしければ合わせてご覧ください。

 

今の自分の風向きを掴む」。心に留めておいていただければ‥と思います。

 

参考文献:『看護のための精神医学』 中井久夫・山口直彦 医学書院