カウンセリングの開業機関を運営する臨床心理士,公認心理師の皆様へ
●このページは、カウンセラー(臨床心理士,公認心理師)の方向けのページです
カウンセリングの専門機関を開業なさっている方はわかっておられるかと思いますが、開業臨床を一つの「仕事」として成り立たせていくには、「臨床,カウンセリングの力」と「集客の力」と両方が必要になります。
しかし、私の耳に直接間接入ってくる情報として、カウンセリングの力があって開業したのに、集客の方が上手くいかず、開業しても仕事として成立させるのは厳しい、という話がほとんどです。
少し私の経験を書かせていただきます。私は、開業に必要な基礎的なノウハウを(ここではカウンセリング以外のノウハウ)、顧問の福島哲夫先生から教わってきました。
その内容は、カウンセリング機関を開業するにあたっての手続き、開業場所、料金設定、契約書、確定申告、ホームページ作成、SNSなど多岐にわたります。
さて、先生から色々と学び、“大丈夫だろう”と思ってカウンセリング機関を開業したのですが、ここからがかなりしんどい日々の始まりでした。今振り返れば当たり前なのですが、福島先生と私とでは、社会的な知名度、立場などが全く違うので、同じことだけをやっていても、先生の成城カウンセリングオフィスのようにはならないんですよね。
開業1年目の数ヶ月間、新規のクライエントさんが本当に「1人も」来ない時期がありました。
この時期はとにかく自分なりに必死になってどうすればいいのかを考え、基本的に独学の試行錯誤をベースに、有用な情報が聞けそうな集まりに顔をだしたり、色々な方のアドバイスを聞いて実践したりしていきました。その中には、とても有用な情報から、今から考えれば、ほぼ有用でない情報まで、色々なものがありました。
ですが、何が有用か否かなど、簡単にわかるわけはないので、これは致し方なかったと思います。この時の状態を一言でいえば「なりふり構わず」だったと思います。
さて、クライエントさんが来られない期間のなかで、特にしんどかったのは、自分の試行錯誤の「方向」があっているのかわからない、という事でした。「この方向で間違いない」となると、人間はわりと頑張れますが、「方向」すらあっているか不明な中での試行錯誤でしたので、この時期は、結構きつい日々でした。
そんな試行錯誤を何カ月も続けたある時、突如クライエントさんからカウンセリングのお申し込みがきました。その後そこから1,2週間のうちに3名の方から、申し込みがきました。何カ月もの間、「1人の方」の来室もなかったのが、突如、わずか1,2週間で3名の方からのお申し込みがきたのです。
最初は、何が起きているのかわかりませんでした。ですが、来室される方が増えていく中で、徐々に幾つかの事がわかっていきました。どうやら、私は何カ月もの「なりふり構わぬ試行錯誤」を経て、どうすればクライエントさんに足を運んでもらえるのか、いわゆるマーケティングと呼ばれるものに関する「私なりのノウハウ」を身につけたようでした。
そしてそのノウハウは、当然のことながら、時間の経過とともに確実に蓄積されアップデートされていきます。
それは例えば、一定数の方に来所していただくと、クライエントさんがどんな経緯で当オフィスを知るのか。あるいは、ホームページ(以下、HPと略)のどういうページを読まれて、他ならぬ浦和南カウンセリングオフィスに来所しようと決断されたのか、等をより正確に知ることができ、それをHP作りにフィードバックさせていく…といった好循環が生まれるといったことです。
そのような「私なりのノウハウ」を学習し、アップデートを積み重ねて以降、当オフィスには、どなたかに紹介されたクライエントさんではなく、ご自分で当オフィスのHPをみつけ、カウンセリングの申し込みをなさるクライエントさんが定期的におられます。
「紹介の方以外のクライエントさんからの申し込みが定期的にある」というのが、そう簡単ではないことは、開業されている方が一番おわかりになると思います。と同時に開業臨床を仕事として成立させていくためには、そのような力が必須だとも思います。
たとえば、知名度の高い方であれば、様々な方面(例えば精神科の医療機関)からのご紹介があると思います。ただ、私のように、いわゆる世間的な知名度が低い場合、そういったご紹介を最初から望むのは非現実的です。また、集客という、開業臨床を仕事として成り立たせる「中核部分」を、紹介のみに頼る、というのはリスクも大きいのではないかと思います。
当オフィスのカウンセリング開業機関へのサポートは、私が自分なりの試行錯誤の上に積み重ねてきた開業に関する「私なりのノウハウ」をお伝えしていくものです。当たり前のことですが、「私なりのノウハウ」ですので、「こうすれば絶対に上手くいく」というものではないでしょう。
少々長くなりましたが、このサポートを通して、
「カウンセリング,心理臨床の能力を有するカウンセリングの開業機関が、社会の中でそれを必要としている方にしっかり届くようになれば」
と考えています。それが、このサポートを立ち上げた意図・目的となります。 ご関心のある方は、お申し込み・お問い合わせからご連絡ください。
基本的にはQ&A的にすすめていきます。こちらに聞きたいこと等が、ユーザーさんによって、かなり異なると思いますので。ただ、イメージとして内容は大きく下記の二つになるだろうと考えています。
1:これから開業を考えている方には、開業をするにあたって必要だと思う知識を私が伝えていくやり取りがメインになると思います。例:開業にあたっての手続き、開業場所、料金設定、契約書、確定申告、HP作成の基礎、SNSなど。
ただ、このあたりの情報はSNSなどですでに様々な情報が無料であげられているので、「正確&細かい情報」をお知りになりたい方はそちらから入手なさって下さい。私も大枠はお伝えできると思います。ただ、私が開業した当時と現在とでは関連する事務手続きの方法が異なっている点もあろうかと思います。その点はご承知おきください。
2:すでに開業している方には、現状を聞きつつ、質問に答えたり…といったやりとりが中心になると思いますが、私がもっともお役に立てるのは、HPの内容や構成を見て、「もう少し~してみてはどうでしょう」といった、HPの内容に関する提案になると思います。
先にも触れましたが、知名度が低く紹介ケースが少ないカウンセラーは、HPの内容・構成が集客の生命線と言えます。そのために何よりも重要なのは、そのHPを、カウンセリングの利用を考えている方が見たらどう感じるか、という視点です。ここが簡単なようでいて、わりと難しい部分です。
そのあたりをお伝えできるようなコンサルティングになればと考えています。
なお、私は自分なりにSEO対策をおこなっています。もし、求められれば私のやり方をお伝えすることはできますが、SEO対策の詳細な、あるいは最新の知識や情報は持ち合わせていません。よって、その方面の詳細な情報を求められている方は、他機関をお勧めいたします。
原則下記の条件を両方満たす方。
今から約5年前、2016年頃、私は少し迷っておられた西野入さんの開業を強く強く後押ししました。それは彼の臨床の実力と開業への適性を強く感じての事でしたが、同時に「セラピストにもクライエントにもメリットの大きい開業臨床がもっと盛んになって欲しい」という私なりの願いでもありました。
私自身は24歳で山王教育研究所でのトレーニングを受け始め、28歳の時に鍋田恭孝先生(精神科医・元立教大学教授)に誘われて、「青山心理臨床教育センター」で開業スタイルの臨床を始めました。その後、並行して他の臨床現場を経験すればするほど、開業スタイルの臨床が効果・やり甲斐・収益の3点から、心理臨床の王道であると確信し続けてきました。
30代後半になった私は、その臨床の収入で奨学金を返しながら、中古マンションを購入し、まだ大学教員の職には就いていませんでしたが、繰り上げ返済でローンを返し終わっていました。
その後、将来的な個人開業を目指しながらも、青山心理の居心地の良さと個人での集客力への不安から、私自身が開業したのは50代になってからでした。今振り返れば「あと10年早く開業してもよかった」という思いです。
思うに、開業心理士(師)の成功の秘訣はただ二つ、「中断ケースが少ない臨床力」と「集客力」です。西野入さんも私も、前者に関しては自信があったのですが、後者の「集客力」は未知数でした。
私自身の集客力に関していえば、すでに私が50代半ばで開業した時点では、大学教授という社会的信頼を得やすい立場だったことと、曲がりなりにも著書が10冊を超えていたことから、結果的には何ら問題なくほどなくして近隣の複数の精神科クリニックからの紹介ケースも増えました。
一方で西野入さんの場合、私が愛情と期待を込めてよばせていただく『著書無しポスト無し、知名度無しの臨床心理士』という状態でしたから、条件は全く違っていたかもしれません。しかし結果的には、その彼が半年以上にわたる「なりふり構わずの試行錯誤」の末、徐々に安定的な黒字化をなしとげていきました。快挙です。
そして、彼の実感では、心理療法への「潜在的ニーズ」はかなり高い。つまり本当は「きちんとしたカウンセリング」を求めている人はたくさんいるのです。
ですが現実は、そこにたどり着けずにあまり信頼できない(無資格か無名資格の)カウンセリングに行ってしまっている人が多い。これは誰にとっても残念な状況だと思います。
ちなみに私は、西野入さんへの度重なる開業指導を、すべて有料でやってきました。それは、お互いに責任を持った経済活動をする上では基本のことですし、この現代社会を生き抜いていくためにも必須の姿勢であると思っています。また、心理療法を実践し考察するときに重要な「主体性と責任性」というモチーフを、より深く理解していく契機にもなると考えています。
どうかこれをお読みの皆さんも、臨床能力、責任性と社会性、集客力をそなえた開業臨床を営んでいってほしいと思います。それは、良質な心理療法を求めている多くのニーズに応えていくことにもなります。そして、開業という、この素晴らしい業態と心理士(師)の存続のために、正当な料金を支払って、西野入さんから「サポート/サービス」を受けることを願ってやみません。
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