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苦手な人とのつきあい方について(前編)-読者の方のリクエストへのお返事

今回は、北欧に旅したい様のリクエストである「苦手な人とのつきあい方について」を考えてみたいと思います‥とは言ったものの、これって相当な大難問ですよね。人間というか、大きく言えば人類全体が常に抱えてきた問題でしょう。

 

もし私が、この問いに対する誰もが納得するパーフェクトな回答をだせたら、多分ノーベル賞級のものがもらえるかもしれません。が、それはまず私の能力では不可能です。なので「その質問は私の能力では手に負えません。各々の個別の状況を具体的にお聞きすれば何かを言えると思うので、よろしければカウンセリングに来ていただけませんか」というのが本音ではあります。

 

とはいえ、せっかくリクエストを頂いたのですから、色々な意味で不十分なお返事になる事を承知の上で書いてみたいと思います。

 

実は先日、この手の事を自己啓発系の本はどんなふうに書いているのかな?と思いつつ、近所の本屋に行ってみました。そしたら、ま~この手の事に触れた本は実にたくさんありました。これだけでも多くの方がこの問題に悩み、またパーフェクトな正解がないからこそ、これだけの本がでているわけだよな~と実感しました。

 

で、パラパラと立読みをしたところ、私見ですが、ものすご~く大きくそれらを分類すると「苦手な人とはできるだけ関わらない」という「①距離をとるアプローチ」と「苦手な人と関わる事で学ぶ事はあるのだから関わるように」という「②接近するアプローチ」と、言ってみれば真逆のアプローチ二つに分類される様に思いました。なので、ひとまずこの二つの方向から、私が思う事を徒然なるままに考えてみたいと思います。

 

「①距離をとるアプローチ」:北欧に旅したいさんが仰るように、仕事、ご近所、ママ友など、苦手な人とも関わらざるをえない状況って、絶対にありますよね。で、そういった際の心構えや対応策を、お聞きになっているわけですが、まず心構え的な部分では、ものすご~~く、平凡ですが、「大きく嫌われて現実的に大きな実害を被らない範囲であれば、ちょっとぐらいマイナスに思われてもいいか~」といった心構えが、まず浮かびますね。

 

例えば食事会や飲み会の誘いは必要最小限にして、メールやラインの返信も意図的に遅めに返す。その結果「あの人、ちょっと付き合い悪いよね」と思われても、そこから大きな実害がなければ、ま~いいか~といったものですね(現実的な大きな実害がでてきた場合は‥さすがにこれは一般論だと難しいですかね‥すみません。)。

 

実際、苦手な人と必要以上に頑張って仲良くしようとしたり、気にいられようとしたり、評価されようとし過ぎるのは本当に心身が消耗すると思います。ですから、とにかくできるだけ最低限の関わりだけをして(例えば挨拶+必要最小限の会話)、あとは、ホドホドに付き合っていく‥。平凡ですが、一般論的な心構えとしては、このあたりがまず浮かびますね。

 

それから、家族などの身内は別として、通常の社会場面での対人交流って、「期間の相違」はあるものの「ある一時期」という場合が多いと思います。ママ友も、お子さんの成長によって自然に変わっていきますし、ご近所さんも、どちらかが引っ越したり仕事をしたりなど、状況が変われば付き合いも減ったりします。仕事も、転職や移動、あるいは同じ部署に新しい方が入ってくるだけで場の雰囲気が変わったりします。

 

そう考えると、「ま~この苦手感も一時だ‥」と思っておくと、ほんの少し楽になれるかもしれません(もちろん、いわゆるブラック企業などにいて心身が大きく崩れている場合は、そんな事は言ってられません)。心構え的なものとしては、この辺りが浮かびます。

 

次に、対処法的なものですが、これまた平凡な考えで恐縮ですが、「あの人苦手なんだよね~」と時々誰かに愚痴れる方がいいですよね。あるいはストレス発散のために趣味的な事をするとか。

 

ちなみに、こういった際のストレス発散行為は、ホドホドにやる事がポイントです。苦手な人が現実に身近にいる以上、ストレスはゼロにはなりません。にも関わらず、完璧な解決を求めてストレスをなくそうとすると、それは実現不可能な事をしようとする事になるので、逆に心身が疲れてしまいます。

 

なので、こういった目的でのストレス発散は、幾つかのストレス発散方法をホドホドにやり、ストレスが多少軽くなればよしとする‥という心持でやるのがポイントだと思います。

 

あとは苦手な人とは、面と向かってやりあわない、つまりあからさまな喧嘩はしない方が基本的には良いかと思います。もちろん、明らかにこちらに不当な攻撃性を向けてきた場合は別ですが、苦手だな~と思う程度で大きな実害がなければ、やりあわない・むきになり過ぎない‥という方が賢明なように思います。

 

しかし、ここまで書いてきて思うのですが、この様な事は北欧に旅したいさんを含めて、多くの方がすでにわかっておられる事ですし、平凡で月並みな意見ですよね。

 

なので書きながら「平凡ですいません」といった気持ちになるのですが、一方で、このブログで度々紹介させていただいている、精神科医の中井久夫先生が仰るには、平凡な対処法というのは、多くの方が“ま~ま~成功している方法”という事でもある‥との事です。

 

というわけで、平凡ですが多くの方がある程度実行可能で、無理の少ないものを書かせていただきました。少しでも参考になる事があれば幸いです。

 

また、この記事を読んで、「①距離をとるアプローチ」の心構えや対処法で「こんなのもあるよ、私はこうしているよ」といったものがある方は、この記事のコメント欄にコメントを残していただければと思います。

 

ここまでで、けっこう長くなったので、②接近するアプローチに関しては、後編として近日中に書こうと思いますので、今しばらくお待ちください。②に関しては、もう少し心理学の知見を入れてみたいと考えています。 

コメント: 4
  • #4

    西野入 篤 (火曜日, 04 7月 2017 08:32)

    北欧に旅したい様:感想ありがとうございました。そうですね、一般的な方法というのは、見栄えはしないですが、多くの人が“ま~ま~上手くいっている”対処法という事ですからね。考えてみると、苦手感を共有する、といった事を含めた「おしゃべり」も、多くの人が自然におこなっている、一般的な対処法だと思います。少しでも参考になるところがあれば幸いです。

  • #3

    北欧に旅したい (土曜日, 01 7月 2017 16:18)

    ブログ書いてもらってありがとうございます。
    一般的なことでも、ある程度は効果があるから有効ということですよね。
    あの人が苦手、的な話はあまり表に出さないし出て来ないし、本来はあまり出すものでもないので(もしかしたら本人に伝わる可能性もありますし)、関係のない人には話せても関係する人には中々言えないですよね。
    だからこそ、同じ苦手意識を持つ人と話が出来た時はとても救われた気持ちになったことを思い出しました。

  • #2

    西野入 篤 (土曜日, 17 6月 2017 22:59)

    さっちょん様:お久しぶりです。コメントありがとうございます。さっちょんさんのコメントを読ませていただきますと、すでに読んで頂いているかもしれませんが、一つ前の6月12日のブログ、「こうありたいという希望と‥について」の方も、何か参考になる事が書いてあるかもしれません。そこでも少し触れましたが、他者との比較などから生じる劣等感等は総じて若い時期の方が多いように思います。という事は、そういった劣等感は、年齢を重ねていくにつれて少しずつやわらいでくるかもしれません。そういった事を心においておく事も意味があるかもしれませんね。いずれにせよ、さっちょんさんのコメントから、一つの心構えを思いだし補足できました。ありがとうございました。後編も頑張って書いてみますので、今しばらくお待ちください。

  • #1

    さっちょん (土曜日, 17 6月 2017 12:44)

    苦手な人だらけの私にとってはとてもありがたい話題です(笑)
    これを読んで苦手な人について考えたとき、私の場合、「本当に性格が合わなくて苦手」というわかりやすい苦手よりも、「理想の自分に近い性格で、劣等感から苦手意識を持つ」方が多いなぁと思いました。その場合だと関わらないとそれはそれで「自分より優れた(と思われる)人に関われない自分なんて…」ってうじうじしちゃうんですよね~。だから後半の「接近するアプローチ」は負担になりすぎない程度に参考にしたいな~と思ってます。楽しみにしてます!