公開日:2022/04/01
1.はじめに
浦和南カウンセリングオフィス(以下、当オフィス)を埼玉県さいたま市に開設し、本格的にカウンセリング業務をスタートさせたのは2017年4月です。おかげさまで2022年4月で6年目に入りました。今回のブログではこの5年間を振り返りつつ、今後に向けて思うことなどを書いてみたいと思います。
2.開業してから今日までの概要
2017年4月に開業しましたが、そこから約1年間はなかなか来室してもらえず、かなり苦労しました。ですが、2018年に入ってから、徐々に来ていただけるようになりました。どうしてそのような変化が生じたのかは、私なりに色々な仮説がありますが、今回のブログの主題ではないので割愛させていただきます。
2019年以降は、カウンセリングの予約枠がいっぱいになってしまい、新規のクライエントさんの受付を停止させていただいたり、あるいはしばらく待っていただく状況が断続的に続いております。ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。
また、当オフィスでは、主にカウンセリング経験の浅いカウンセラー(臨床心理士、公認心理師)の教育・訓練として、スーパーヴィジョン(以下、SVと略)を提供しておりますが、こちらの方も徐々に利用なさる方が増えていき、現在のところ新規のSVの申し込みは一旦停止させていただいております。
このように考えますと、適切なカウンセリング機関で自分に合ったカウンセリングを受けたいと思う方は随分おられるのだろう、と感じます。
3.クライエントさんの属性
次にクライエントさんの属性に関して、簡単にですが書いてみたいと思います。カウンセリングについてのQ&Aでも、このあたりに触れているので、よろしければご覧ください。
- 年齢:20歳前後~60代後半まで。40代が一番多く、次いで30代、50代、20代となります。
- 男女比:3対7~4対6。時期によって多少違いますが、だいたいこのぐらいで推移しています。
- 精神科や心療内科に通院している方の割合:3~4割。当オフィスの特徴の一つは、精神科などの医療機関を受診していない方が多い、といったことかもしれません。
ところで、医療機関に通院されていないクライエントさんが、当オフィスに来室された際、「こういう悩みでも・こういう状態でも、つまり通院していないしお薬を処方されていない自分でも、カウンセリングを受けていいのだろうかと思っていました」といったことをおっしゃる方が一定数おられます。
このような言葉を複数の方から聞くと、日本では「カウンセリング」という言葉は随分知られるようになりましたが、その内実はまだまだ知られてないんだな~、敷居が高いんだな~といったことを感じます。
あたりまえのことですが、医療機関に通院してない方でも、生きていく上で様々な悩みや苦しみを抱えておられる方はたくさんおられます。そしてカウンセリングは、そういった悩みや生きづらさをカウンセリングで緩和・解決していきたい、といったすべての方に開かれているものです。
もちろん、カウンセラーやカウンセリング機関によって、対象とする悩みや問題の種類はあるわけですが、“こんな(軽い)悩みでカウンセリングを受けてもいいのかな。通院とかをしていない私より重い悩みを持った人がくる場所だから悪い気がする…”といった理由からカウンセリングをためらう必要は一切ありません!その点は強調してお伝えしたいと思います。
4.悩みの種類
悩みというのは、複数の悩みや困難、生きづらさが複雑に絡まりあっていることが多いので、分類するのは難しいのですが、だいたい下記のようなものだと思います。
- 家族関係(親子関係,夫婦関係、子育て)
- 異性関係、カップル関係、いわゆる恋愛に関すること
- 自分の性格、性質、考え方について
- 心の傷、過去の傷つき体験について
- 心の病気に関すること
- 友人・知人との関係
- 仕事場での人間関係
- 仕事内容、転職、今後のキャリアについて
- これまでの生き方、今後の生き方、人生について
5.クライエントさんの職業
特にこの職業が多い、といったものはなく様々な職業の方が来所されていますが、下記に主なものをあげてみます。
- 教師、看護師、医師、技術職、精神保健福祉士、社会福祉士などの専門職
- 地方公務員、国家公務員
- 会社員(営業,事務,経理,人事,総務など)
- 個人事業主、フリーランス
- パート
- 無職
- 学生、浪人生
- 心理職(臨床心理士,公認心理師)
6.カウンセリング専門機関の存在意義
日本では、精神科などに通院したりお薬は必要ないけれど、様々な悩みや、しんどさ、生きづらさを抱えている方が安心して相談にいけるカウンセリングの専門機関はまだまだ少ないように思います。
あるいは、一般の方がインターネット検索でカウンセリング機関を探そうとしても、どういう基準でどういう機関を選んだらいいのか、何をどう判断したらいいかが難しい、といったことも関係あるでしょう。実際、私のような専門家が様々なカウンセリング機関のホームページを見ても、それらの判断が難しいこともあるので、一般の方はなおさらだと思います。
もちろん私から見てすぐに、「あ、ここは危ない」といった予測が生じるカウンセリング機関もありますが。*このあたりにご関心のある方は、カウンセラーの「資格」をよく確認しましょう、をご覧ください。
そういった今の日本の社会状況の中で、医療や、あるいは何らかの公的な支援・サービスの対象外におられる方、あるいはそういったカテゴリーに含まれうる様々な悩みを抱えた方々に、当オフィスのようなカウンセリングの専門機関が、お役に立てるところは色々とあるのだろうと思います。
もちろん医療機関に通院されている方にも、当オフィスのカウンセリングはお役に立つと考えています。
7.地域への貢献
「地域に貢献を!!」といったことを強く意識することはあまりないのですが、それでも結果的に当オフィスに来られる多くの方は、さいたま市内、あるいは埼玉県内在住の方が多いですね。
さいたま市でも、特に浦和・浦和近郊の方が中心です。やはり通いやすさは大事なんだと思います。また、開業して6年目になるわけですが、最近はさいたま市内、埼玉県内の精神科医療機関や公的機関から当オフィスを紹介されて来室した、というクライエントさんも随分増えてきました。
少しずつ地域の方々に知られるようになり、また精神科医療機関や公的機関から紹介される、ということは、結果的にさいたま市を中心とする地域に根付いてきたように感じます。今後も、地域の心の健康に微力ながら貢献できるカウンセリング機関として、努力してまいりたいと考えております。
今後とも宜しくお願い致します。
浦和南カウンセリングオフィス代表カウンセラー,臨床心理士・公認心理師,
西野入 篤