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自己啓発本の多さについて

公開日:2017/04/22

更新日:2021/04/04

 

 

目次 

  1. 次々と出版される自己啓発本
  2. それなりに役立つ側面
  3. 自己啓発本の限界について
  4. 自己啓発本の選び方
  5. カウンセリングのすすめ

 

 

1.次々と出版される自己啓発本

 

世の中には、いわゆる自己啓発本が多く出版され、かつ次から次へと新たな本がでてきます。「成功するための~の法則」「運が向いてくるための~の習慣」等など、似たようなコンセプトの本が次々とでてきます。

 

次々と出版されるにはそれなりに理由があるからだと思います。そこで今回は、「どうしてこんなに自己啓発本は出版されるのか」を考えてみました。

 

最初に結論を言います。主たる理由は下記の二つではないでしょうか。

  • どの本も「それなりに」役立つから
  • どの本も「それなりにしか」役立たないから     

 

2.それなりに役立つ側面

 

これだけ次々と新たな自己啓発本がでているのは、それなりに売れるからですよね。そもそも売れる見込みがなければ出版社は本をだそうと思わないでしょう。また、売れるという事は、一定数の読者にとって、「それなりに役立つ」という実感があるから買うのだと思います。

 

3.自己啓発本の限界について

 

一方、これだけ多数の本が次々と出版されるという事はどの本も「それなりにしか」役に立たない。言い方を変えると、部分的には納得できるけど部分的にはいまいち。あるいは、ある時期(例えば年齢)にはよかったけど今はいまいち、といった面があるからではないでしょうか。

 

もし、世の中に「完璧な自己啓発本」があったらその一冊があれば十分です。ですが、これだけ多数の自己啓発本が出版されそれなりに売れる、ということ自体、完璧な自己啓発本は存在しない、という証拠だと思います。

 

4.自己啓発本の選び方

 

では様々な自己啓発本の中からどんな本を選んだらよいでしょうか。色々な観点があるかと思いますが、大事なのは自分の本来的な性質にあったものを読むことなんだろうと思います。

 

たとえば、性質的にもともと①「いわゆる社交性、外向性が高い人。グループでいる事を好む人」と、②「いわゆる内向的な人、基本的に一人でいる時間を好む人」では、もって生まれた性質が違います。

 

そして、①②それぞれに合った「無理のない対人関係のもち方、仕事内容、目標設定の仕方、プライベートのすごし方」などがあります。よって当然①のタイプにあった本と、②のタイプにあった本は違うでしょう。やはり少しでも自分に役立つ本を選ぶなら、「自分の性質を理解しつつ、その上で今の自分に役立つ本は何か」という観点から探すのが良いように思います。

 

*本題とは話題がそれますが昨今は、①の方が、いわゆる「コミュニケーション能力が高い」と言われ、②の方は、生きづらい世の中だと思います。カウンセリングの中でもこのあたりに触れることは多くあります。

 

5.カウンセリングのすすめ

 

自己啓発本について色々と書いてきましたが、臨床心理学に基づくカウンセリングをしている者として、ご自分の抱えている悩みやしんどさが大きい場合は、やはり専門的な訓練を積んだカウンセラーなどを頼っていただきたいという事です。

 

悩みやしんどさが強い時は、自分の性質や、今、おかれている状況を落ち着いて考えることは困難になっていきますし、悩みが大きければ大きいほど本を読むだけ改善する可能性は少ないように思います。