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カウンセラーの「資格」をよく確認しましょう

公開日:2019/10/02

更新日:2021/07/04

 

 

今回のブログは、これからどこかで「カウンセリング受けよう」と検討されている方、それも、精神科・心療内科などの医療機関ではないところ、すなわち浦和南カウンセリングオフィス(以下、当オフィスと略)のような、「カウンセリングに特化した機関」での相談を考えておられる方に向けて書くものです。

 

 

目次

 

  1. 最も重要なこと
  2. 誰でもカウンセラーと名のれる
  3. 信用できるカウンセラーの資格
  4. 臨床心理士
  5. 公認心理師
  6. カウンセラー資格を見わける方法
  7. オンラインカウンセリングの急増について

 

 

 

1.最も重要なこと

 

最初に結論を申し上げます。皆さんが相談をしようとしている「カウンセラー」が、どういった「資格」をもっているのかを「よくよく確認してからカウンセリングを受けましょう。」これが、今回のブログで最もお伝えしたいことです。下記に、詳細を書いていきます。

 

2.誰でもカウンセラーと名のれる

 

まず、はっきりお伝えしておかないといけないのは、現在のところ「カウンセラー」と名のることは「誰にでもできる」、ということです。カウンセラーとしての専門的な勉強・訓練を積んでいなくても、「~カウンセラー」「~心理療法士」といった感じで名のり、「~カウンセリングルーム」といって、カウンセリング機関を開室することも、「誰にでもできる」のです。

 

このことは、実はまだ世の中にあまり知られていないと、近年感じるので、そのことを再度お伝えしたいと思います。皆さんが受けようとしているカウンセリング機関のカウンセラーは、ひょっとしたら、カウンセラーとしての訓練や勉強を「実は」積んでいない可能性があるわけです。この可能性は、心に留めておいてよいと思います。

 

3.信用できるカウンセラーの資格

 

とはいえ、現実問題として、カウンセリングの専門的な知識がない一般の方が、どういった「資格」が、より専門的で安心できるのかを、理解、把握するのは簡単ではないと思います。 

 

そこで、この点に関して、現時点での私の見解を述べたいと思います。現時点としたのは、カウンセラーの資格の問題は今後様々な変化が予測されるからです。

 

ここも結論から申し上げます。臨床心理士公認心理師が、乱立する様々なカウンセラーの資格の中で、もっとも専門性が高い資格だと思います。

 

4.臨床心理士

 

カウンセラーの資格が現在様々に乱立していますが、現時点でもっともカウンセリングの専門的な勉強や訓練を積んでいるのは、「臨床心理士」だと思います。 

 

臨床心理士を名のる・標榜するためには、原則、大学院まででている必要があります。臨床心理士の資格を取得するために要する時間やエネルギーは、多くのカウンセラー関連資格の中でも、一番だと思います。

 

5.公認心理師

 

臨床心理士以外にもう一つ、新たに、心の問題などを専門的に扱う心理職として、「公認心理師」という資格が誕生しました。この資格は、「国家資格」です。まだできたばかりの資格で、2018年に、第1回目の、公認心理師の国家試験が行われ、公認心理師を標榜する方がでてきました。

 

国家資格とは、例えば病院を例にとると、「医師・看護師・作業療法士・理学療法士」はすべて国家資格です。国家資格というのは、ざっくりと言えば、その資格の養成や任命に「国」が関与する資格で、当然その資格をとるためには一定の勉強や訓練が必要になります。医師や看護師が、一定の勉強や訓練を積んで、国家試験を受け、その資格を得ていることと同じですね。

 

まだ、新しい資格ですが、国家資格である以上、この資格も当然一定の質が担保されていくと思います。 

 

6.カウンセラー資格を見わける方法

 

様々なカウンセラーの資格が乱立する中で、臨床心理士と公認心理師が最も信用できることを書いてみましたが、もう一つ、「ある資格」が信用できるか否かを判断する、私なりの方法をご紹介したいと思います。

 

それは、その資格名で求人がでているかを検索してみる方法です。カウンセラーを見分ける基準」などのブログにも書きましたが、簡単におさらいすると、

例:「臨床心理士、求人」「〇〇カウンセラー、求人」といった方法で検索をしてみてください。

 

そして、そのキーワードで、求人が様々な機関からでていれば、その資格は、「社会的に認知され信用を得ている資格」と、一応は言えます。例えば、「臨床心理士、求人」で検索をすると、様々な機関から募集がでていることがわかります。例:精神科を中心とする医療機関、小中高のスクールカウンセラー、児童相談所などを含む様々な公的機関、大学など。

 

そのような機関は、当然ある程度「信用できる資格」を有した方でないと、雇用しようとは思わないわけです。

 

「〇〇カウンセラー、〇〇心理療法士」といって、ほんの数日の勉強で、「その勉強会を主宰している機関」がだしている「資格」が巷には無数にあります。しかし、そういった資格名での求人募集はほぼないと思います。

 

この方法は、その資格の社会的信用度を判断する有効な方法の一つだと思います。皆さんが、受けようとしているカウンセラーの資格を、その観点から調べてみるといいと思います。

 

もちろん、同じ資格を持っている人の中でも能力のばらつきはあります。それは、医師や看護師、あるいは教師、といった、広く社会的に認知されている資格、あるいは国家資格を有した方の中にも、色々な方がいる、というのと同じです。

 

また、臨床心理士・公認心理師の資格を持っていなくても、優秀なカウンセラーの方もおられます。とはいえ、「カウンセラー」を「誰もが名のることができ」、様々なカウンセラー資格が溢れる業界の中で、全体的・相対的な観点から、より「専門性と安全性」が高いのは、臨床心理士と公認心理師だと考えてよいと思います。

 

7.オンラインカウンセリングの急増について

 

このブログを今回加筆修正して更新しようと考えたのは、新型コロナウイルスの蔓延によって、突如、様々なツールを用いた「オンラインカウンセリング機関」と「オンラインカウンセラー」が急増してきた印象があるからです。

 

私は、職業柄様々なカウンセリング機関のホームページ(以下、HPと略)を見たり、インターネットに掲載される広告を見ているのですが、ここ1年ぐらいで、オンラインカウンセリング機関が急増している印象を受けます。値段は当オフィスより高いものから安いものまで色々です。

 

そういった機関にとっては、ある意味でこの社会状況は「商機」なのかもしれません。

 

もちろん、割安のカウンセリング機関が多数出てきて、利用者の方に選択肢が増えることはメリットだと思います。ただ一方で、それらの広告内容やHPを見ていると、聞いたこともないカウンセラーの資格名だったり、あるいは、どこでどんなふうにカウンセリングの経験を積み、訓練を受けてきたのかが、「明確に記されてないカウンセラー」が多いんですよね。

 

おそらく、もうしばらく新型コロナウイルスの影響は続くでしょうし、その状況下で精神的なしんどさが強まったり、メンタルの調子を崩されるなどして、オンラインカウンセリングを希望される方も増えてくることが予想されます。

 

そういった社会状況を考慮して、このたび以前のブログを加筆修正して更新をすることに致しました。

 

カウンセリングは人の心に触れるデリケートな営みです。カウンセリング機関、カウンセラー選びもとても重要になります。カウンセリングを受けようとされている方が、適切なカウンセリング機関を探すさいの一助になれば幸いです。 

 

なお、最後になりますが、当オフィスでもオンラインのカウンセリングを行っております。ご関心のある方は、「オンラインカウンセリングのご案内」をご覧いただければと思います。